2014年6月16日月曜日

久々にタルトタタンネタ

もう何回も通っているタルトタタンで有名な「ラ・ヴァチュール」
このお店、何で知ったのかも忘れてしまったのだけど、
とにかく絶対にここに行ってみたいと思い続け、
ようやく5年程前に行くことができてから京都に行く度に必ず寄っています。
「タルトタタン」と呼べるのはここのものだけ!
と言い切れるほど私にとって王道であり理想的なタルトタタンです。
タルトタタンを食べたことのない時から想像していた味そのものだったので、
初めて食した時の感動は忘れられません。
全く余分なものが入っていないごくごくシンプルなりんごの焼き菓子です。
シナモン好きの私ですがここはあえてシナモンも使っていません。
そしてそれが大正解。
濃縮したりんごの旨みをじっくり味わうにはシナモンさえも邪道なのです。
そんな「ラヴァチュール」のタルトタタンを目指して
毎年りんごが出回る季節になるとついつい作りたくなってしまう私です。

創始者の松永ユリさんは30数年年前に娘さんと渡仏した際
初めて食べたタルトタタンの味がが忘れられなくて、
ぜひ日本でも食べられるようにと作り始めたのが、
「ラ・ヴァチュール」を始めるきっかけだったそうです。
本場フランスのタルトタタン協会でも何度も表彰されているという
ユリおばあちゃまのタルトタタン。
数年前よりお孫さんに受け継がれあちこちで取材され
今では全国から一度食べてみたいとお客が訪れる京都で有名なお店の一つになっています。
そんな松永ユリさん、残念ながら今年の2月に95歳で永眠されたそうです。

「ラヴァチュール」にはユリさんの指定席がちゃんと有って、
何年か前にはその席でゆったりと新聞を読んでいらっしゃるお姿をお見かけしていました。
お洒落で美味しいものが大好きなとても可愛らしい(なんて言ったら失礼かもしれませんが)
素敵なおばあちゃまでした。
58歳に渡仏してタルトタタンに出会ってそれがきっかけでこんな素敵なお店を世に残したということ、
色々な意味で私は感動と勇気をいただきました。
夢や希望を持ち続けることは、どれだけその人の人生に輝きを与えるのだろう。
いくつになっても忘れてはいけない大切なことだとしみじみ感じています。